【人権参観】どんな授業でも人権参観になる!テーマに悩まないための考え方と具体例

教師A

今度、人権参観があるんだけど、
どんな内容にするか迷うな…

チビマリオ

確かに普通の参観とは違って
少し緊張感が増す感じがしますね

教師A

そのあとの懇談会でも、
どんな内容で話すかめっちゃ迷うんだ…

チビマリオ

そうですか?どんな授業をしたとしても、
伝えるべき内容は一緒だと僕は思っているんです

「人権参観の授業、今年はどんなテーマにしよう?」

いじめ、差別、障がい理解、ジェンダー、ネットモラル……


子どもたちに伝えたいことがたくさんあって

選ぶのに悩んでしまう先生も多いのではないですか?


でも

どんなテーマを選んだとしても

根っこにある大切なことは変わりません!


それは——

「自分と相手を大切にする意識」と

「お互いを認め合う気持ち」


どの題材でも

最終的に子どもたちの心に残したいのは

誰かとともに

気持ちよく生きていくための

「人としての心」です


テーマ選びに迷ったときこそ

一緒に そんな原点に立ち返ってみませんか?

①人権参観はそもそもなんでするのか

テーマを「人権」にしぼって

子どもたちに授業を…

そして

参観日という保護者に見てもらえる場で

授業を行うのは

なぜなんでしょうか?

その目的は以下の3つだと思います

(1)子どもたちの人権意識を育てる

(2)保護者とともに考える機会を持つ

(3)多様性や共生への理解を深める


それぞれ少しずつ

詳しくみていきましょう

(1)子どもたちの人権意識を育てる

人権参観は

まず何より子どもたちが

「人権とは何か」

「なぜ大切なのか」を

自分のこととして考える

きっかけになります

たとえば、

「友だちの気持ちを考えること」

「いやなことをされたときに『やめて』と言えること」

「どんな子も自分らしくいられるクラスにすること」


そんな小さな気づきや優しさが

人権を大切にする心に

つながっていくのです

(2)保護者とともに考える機会を作る

参観で行うもう一つの大きな目的は

保護者と学校が

「人権」について一緒に考えること

子どもたちが

どんなことを学んでいるのかを見てもらい

家でも話題にしてもらうことで

学校だけでなく

家庭でも

「人権を大切にする心」が

育っていきます

(3)多様性や共生への理解を深める

今の時代

性別・国籍・文化・障がいなど

いろいろな違いを持つ人が

共に生きています

人権参観では

そうした「違い」を知り

受け入れ合うことの大切さにも触れます


「みんなちがって、みんないい」


この有名な言葉をあたりまえの空気にしていき

そんな空気を

子どもたちが感じ取れるようにするのも

この参観の大切な目的です

②人権授業で取り扱う内容例

一般的な人権参観の例を挙げてみます

本当に一例ですのでご参考レベルに。

🧒 低学年向け(1~2年生)

「ともだちっていいな」

 → 友達のよさに気づき、仲良くすることの大切さを考える

「きらいっていわないで」

 → 言葉の力と、相手の気持ちに寄り添う心を学ぶ

「みんなちがって、みんないい」

 → 個性やちがいを認め合うことの大切さを感じる

「ありがとうをとどけよう」

 → 思いやりのある言葉や態度を考える

🧒 中学年向け(3~4年生)

「いじめってなんだろう?」

 → いじめの本質や無関心の怖さについて話し合う

「わたしのよさ、あなたのよさ」

 → 自分と他人のよさを見つけ、認め合う活動

「しょうがいってなに?」

 → 障がいのある人への理解を深める体験的学習

「気持ちはことばにのって」

 → 言葉の選び方と相手への伝わり方について学ぶ

🧑 高学年向け(5~6年生)

「インターネットと人権」

 → SNSやネットいじめの危険性と責任について考える

「ジェンダーってなんだろう?」

 → 性別による固定観念に気づき、多様な生き方を知る

「自分を大切に、相手も大切に」

 → 自己肯定感と他者尊重のバランスを学ぶ

「無関心が差別を生む?」

 → 歴史や社会における差別の構造について考える

💡 その他のよくある人権テーマ

国際理解(外国にルーツをもつ人々への理解)

高齢者理解(世代間の交流や思いやり)

家族・家庭(家庭内の多様な形を受け入れる)

貧困や格差(違いを非難せず理解する視点)

③困ったときは集団作り系の授業

「難しいテーマはやめたいな…」

「日常の様子から『人権』についてふれたいな…」

という気持ちがあるのなら

シンプルに

体育の「体つくり」「体ほぐし」運動や

学活の「みんな遊び」でも

十分「人権参観」にすることができると思っています

ただ、もちろん!!


単なる遊びではなく

その遊びの中で

「自分自身の意見を大事」にしたり

「他者の気持ちを尊重」したりすることを

最大のめあてにすること

みんなでそのめあてを共有することは

必須ですけどね

例えば

体育の「体つくり」運動として

「みんなで平均台」に

チャレンジしたとします!

これは

平均台の長さにもよりますが

1つの平均台にクラス半分(もしくは3等分)が

一列になって乗ります

そこで先生から

あるお題を提供します

例えば

「4月から数えて誕生日が早い順」

とします

今、平均台の上に並んでいる順番から

平均台から落ちないで

お題の順番に並びかえます

想像の通り

平均台は細いので

いろんな工夫が必要になってきます

詳しい説明は今回省略しますが

うまくいかなかった原因

うまくいった原因を

みんなでシェアして

みんなで達成させていくという活動です


体育の運動として

よく行われますが

テーマを「自分も大事に、他人も大事に」のようにすると

人権参観でもできそうですよね


遊びだって同じです


定番「大嵐」であっても

どうやったら

「みんながもっと楽しめるのか」

「みんなのことをもっと知れるのか」を

話し合う時間を持つことで

単なる遊びではなく

「人権参観」として扱うことも可能です


要は大事なことは

「何をするか」よりも

「何を伝えたいか」を

重視することだと僕は思います

④懇談で伝えるべき内容

今の一般的な授業例を

ざぁ~っと見てみるとお分かりのように


すべてに共通しているのが

「自分と相手を大切にする意識」と

「お互いを認め合う気持ち」です


どんなテーマを選んだとしても

どんな学習であったとしても

最終的に

この2つに

毎年毎年落とし込んで指導していくことで


学年が変わろうが

担任が変わろうが

扱うテーマが変わろうが

学校と家庭が一体となって

子どもの人権意識を育てることに

つながるのではないかと思っています


では具体的に

どのようにして

懇談で話したらいいのか

私なりの流れをまとめてみました


差別の意識は

誰の心にも存在します


これを今回は「差別の氷山」として

表現してみました


世の中にはびこる「差別」には

いろんな種類があります


人種差別…

外国人差別…

障がい者差別…

男女差別… などなど


その1つ1つについて

学習することで

それぞれの氷山を削り

心の中の差別意識を

減らしていく必要は

もちろんあります


ただ

いろんな差別がある中

1つの差別だけを

重点的に学習するよりも


まんべんなく

世の中にはある

いろんな差別を学習する方が

効果的だと思います


そして

もっともっと大事なこと…


それは

1つ1つの問題を表面的に

理解したり考えたりするだけでは

ダメだということ!


なぜなら……


そう!


最初にもお伝えしたように

これは

「差別の氷山」だからです


目に見える部分だけを削り

解決しているように見えても

実際の根本的な部分は

何も変わっていないんです


じゃあどうすればいいのか…


そうです!!


海水の温度を温めていくことで

氷山全体を

溶かしていくという方法です


「差別の氷山」の世界での

「海水の温度を温める」とは…


それが

実際の世界の

「自分と相手を大切にする意識」と

「お互いを認め合う気持ち」を

高めることだと思っています


人権参観で

特別な授業をすることが

本当に大事な人権教育ではありません


日々の日常生活の中で起こりうる

あらゆる場面での

「人との接し方」

「自分の出し方」を学ぶことが

何よりの人権教育だと思っています


日々の中で

・「ありがとう」を言う

・相手の話をよく聞く

・ちがう考えも否定せずに受けとめる


こうした態度を育てることこそ

人権教育のゴールだと僕は思います

というような流れですかね!


こんな感じでまとめていくと

どんな授業でも

「人権参観」として扱えることが

ご理解いただけたと思います

⑤まとめ

人権参観は

特別な誰かのための

授業ではありません!!

すべての子どもたち…

そして大人たちにも関わる

とても身近で大切なテーマ…


それが「人権」です


そして、

授業自体も

何か特別なことをする必要はなく

日常の生活で少しずつ身に付けていくべき

「心」や「意識」を育てることを

ねらいとすれば

どんな授業だって

「人権参観」にできるんです


ぜひ

そのゴールだけを見失わず

楽しく学習できる「人権参観」を

考えてみてください!


何かうまくいった事例などあれば

これからもドンドン教えてください!

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